2008年ニューヨーク基調講演 武士道 -日本の魂は米国にあり-  「和をもって尊しとなす」

武士道 -日本の魂は米国にあり-
「和をもって尊しとなす」
日時: 2008年5月15日(木) 19:00~
会場: アメリカ 日本国総領事館大使公邸

皆様は武士道と言う言葉を聞かれたことがあるかと存じますが、この言葉の由来は明治44 年、初の日米交換教授としてアメリカ合衆国に赴き、後に国際連盟事務局次長となった農業経済学者であり教育家の国際人であった新渡戸稲造原作「武士道―日本の魂」(英文で書かれ世界的ベストセラー)のタイトル中にある武士道を意とします。

彼が渡米した頃の日本といえば、約400年に及ぶ封建的幕藩体制から刷新し、王政復興の維新改革をなし、明治政府という新秩序を構築した時期でありました が、中でもとくに米国との親日関係を築きあげた経緯には、新渡戸の功績が大きかったと言わざるを得ません。
何故ならば新渡戸は米国ジョンズ・ホプキンス大学での三年間日米の歴史を比較研究し、あまり知られておりませんが、日米関係史を出版しているのです。

新渡戸が何故、頑なまでに日米関係にこだわったのかは、彼の妻の影響があったと言われていますが、基督教新派の信者であった婦人の信仰に、彼はキリスト教と仏教との共通性を見出だしていたのです。
新渡戸は敬謙な仏教徒であり、釈迦晩年の教え法華経をよりどころとしておりました。
その彼が神の中に仏を、仏の中に神を感じたのではないでしょうか。
いわゆる彼は基督教にも仏教にもその根底には、他が為に生きる慈愛があり、米国の人々の心にも武士道の魂をみたのです。

新渡戸の故郷である盛岡(日本国岩手県)の城跡には彼の碑があり、その碑文にはこの様な言葉が書かれています。
“願わくはわれ太平洋の橋とならんと”。

次にもう一人武士道を貫いた人物をご紹介致します。
その人とは岡田資(たすく)太平洋戦争当時東海方面軍司令官であり、終戦後B級戦犯として死刑となった日本陸軍中将であります。
敗戦後、無差別爆撃を行った米国機搭乗員を処断したことが戦犯の容疑者となり、岡田は捕虜を処断した部下と共に法廷の被告席に座りました。
彼は横浜法廷に置いて国際法を用いて法戦し、また全ての責任は一切司令官たる自分が負うとして、その堂々たる態度と潔さ、更には日頃拘置所内での規律正し い生活態度の遵守や、同胞の部下達への温かい励ましの言葉だけでなく、GHQ監視官さえへも労いの言葉をかける人間性に、巣鴨プリズンの収監者はもとよ り、米国司法の裁判官や検事・弁護士・陪審員からも敬意と尊敬の念をもたれたのでした。

彼の背景には、駐英国大使館に武官としてロンドンに駐在した事が、国際感覚と国際法を身につけるきっかけとなったのです。
岡田は死刑に処されるその日の朝ゆっくりと歩きながら、若き収容者に言い聞かせたのでした。
“米国を兄とし日本は弟として未来永劫善き関係を築きあげて欲しい、そして未来は君達の慈愛にかかっている”と

ここに二人の偉人について述べさせて頂いた経緯には、共にアメリカ国とアメリカ人への尊厳を尊びながらも、義を貫いた一人の人間としての生き様を日米両国の人々が尊敬されたと言う事なのです。
またここで述べた義とは正義であり、正義とは他が為に己が生きんとする慈愛の精神に外ならないのです。

一般的に武士道と聞きますと真っ先に侍や切腹というイメージを抱きますが、それは武士道の一部形を形容したものであり本質ではありません。
真実の武士道とは先に述べました‘他が為に生きる’つまり正義の為には己の命さえ省みない犠牲的精神なのであります。

2001年、ここニューヨークで世界を震撼させる皆さまもよく周知の事件がございました。
あの9・11の出来事です。
メディアから流れる映像はなまなましく驚愕するものがございました。
しかし世界の人々はそこに人間の限りない愛の深さを垣間見たのでした。
それは我が命を犠牲にしながらも必死の思いで人命救助する尊き人々の無私の姿がそこにあったのです。

昨今我が祖国日本では年間37,000人の尊き命が自らのアクションで亡くなっており、世界一の自殺大国になりました。
また肉親同士の殺戮を始め、殺人事件が毎日の様に跋扈している有様なのです。

ところがあの事件が私を驚嘆させ一筋の人類の希望をみいだしてくれたのでした。
それは日本人が無くした大和(やまと=寛容の心)の魂、いわゆる武士道がここ米国にもあったことを…

仏陀はこのようなメッセージを残してくださいました。”人はただ愛に依ってのみ憎みを越えられる、憎みをもって憎みを越える事はできない。”「法句経第五より」
これよりマザー・テレサ愛の祈りをもって、私くしの話しを終了致します。

ny1 - 2008年ニューヨーク基調講演 武士道 -日本の魂は米国にあり-  「和をもって尊しとなす」

 報告書

5/15(木)、日本国総領事館大使公邸にて、釈和尚の2回目のNY講演会が午後7時より行われた。厳重なセキュリティの中、この日のゲストは約110名で、NY Timesを始めとするアメリカのメディアなど半分は外国人でした。

まずレセプション・ホールにて、ロス在住の曽原三友紀監督とアメリカ人スタッフによる京都の芸舞妓のドキュメンタリー映画「はんなり」の紹介からスタート。そして釈正輪師の講和。英語での挨拶から始まり、後編は通訳つけて本題に。
主に武士道=大和魂に触れ、武士道を代表する歴史的人物、太平洋戦争当時東海方面軍司令官であり、終戦後B級戦犯として死刑となった日本陸軍中将岡田資 (たすく)並びに農業経済学者であり教育家の国際人の新渡戸稲造氏の紹介をし、新渡戸氏の国際的な功績を称え、また、アメリカ人の妻を持つことで、自身が 信仰していた仏教と妻の信仰するキリスト教の中に共通の思想を見出したともいわれる。ま た、3大宗教の共通点、キリスト教は愛、イスラム教は慈愛、仏教は慈悲、この3つの”人を思いやる心”は同じだということを強調していた。真実の武士道と は「他が為に生きる」つまり正義の為には己の命さえ省みない犠牲的精神を、2001年9月11日のテロ事件においても人命救助の中から、そして世界の人々 の中にも人間の限りない愛の深さを垣間見たという。それは日本人が無くした大和(やまと=寛容の心)の魂、いわゆる武士道がここ米国にもあったこと、仏陀 はそんなメッセージを残してくださったと説明した。「人はただ愛に依ってのみ憎みを越えられる、憎みをもって憎みを越える事はできない。法句経第五より」

080515b - 2008年ニューヨーク基調講演 武士道 -日本の魂は米国にあり-  「和をもって尊しとなす」

最後は、会場の方全員に目を閉じてもらい、賛美歌をバックに釈和尚は、マザーテレサ愛の祈りを英語にて朗読すると、会場の中からはすすり泣く声がしていた。 講演では、必ずや瞑想の”無”になる時間を与えてくれ、心を和ませてくれる。講和が終わると、カクテルラウンジ会場へ移動し、大使公邸専属シェフによるお 料理の数々に舌鼓するゲスト。やはりお寿司は一番人気でした。最後は、着物クラブ企画による華やかな着物ファッションショーが行われ、打ち掛け姿まで登場 し、艶やかな着物はゲスト達の目を楽しませてくれた。

080515c - 2008年ニューヨーク基調講演 武士道 -日本の魂は米国にあり-  「和をもって尊しとなす」

開催時の様子を動画で紹介

2019年1月16日「価値観の多様性」

2019年1月16日「改めて思う仏教の大切さ」

2019年1月16日「人というのは何者なのか?」

2018年8月9日「私という人間を認めてくださる方に出会うか否か」

2018年8月9日「お坊さんの役割」

2018年8月9日「歴史にはいろんな考え方がある」

アクセス

  • 20今日の訪問者数:
  • 20昨日の訪問者数:
  • 561月別訪問者数:
参加申し込み
東京 3月7日(木)武道礼法体験会 3月12日(火)講話会 大阪、講話会 3月22日(金)  3月29日(金)  4月27日(土) 5月25日(土) 6月30日(日) 7月27日(土) 8月28日(土)
LIQUID CONNECT
×