釈正輪講和会

歴史、伝統、文化をお伝えしながら皆さんの生活にお役に立てる様、学び活かしていける講話会を開催しています。

【釈正輪メルマガ1月22日号】日々是好日

【因果の道理】

大寒の候。文字通り、一年で最も寒さの厳しい時期ですが、今年は東北や北海道地域以外の府県では、晴天の小春日和が続いています。自然の循環に則り、やはり寒い時期は寒くないとよくありません。

陰暦十二月を「春待月」ともいいますが、春を待ちわびる思いは、今も昔も変わりませんね。春はもう、すぐ隣まで来ています。

合掌

高砂の 尾(を)の上(へ)の桜 咲きにけり

外山(とやま)の霞(かすみ)たたずもあらなむ

権中納言匡房(73番)『後拾遺集』春・120

昨年の活動は仏教の話を主にしてまいりました。それは何故かといいますと、仏(おのれ自身)の教え(真理)こそ、人々を悩みから救いだせるからに他なりません。なかでも、仏教の根幹は、「因果の道理」といわれます。仮に仏教を木にたとえると、「因果の道理」は、その根や幹に当たります。釈尊の七千余巻の一切経を貫く教えが「因果の道理」ですから、「因果の道理」をよく理解しなければ、仏教は分かりません。

さて、その「因果」とは何か、それこそ「原因」と「結果」ということです。どんなことにも必ず原因があり、原因なしに起きる結果は、万に一つ、億に一つも無いと教えるのが仏教です。しかもこれには絶対に、仏教は例外を認めません。どうしても現状では、原因が分からないということはあります。

例えば、飛行機が深海に沈んだために、墜落の原因究明が出来ず、知ることができないことはあるでしょう。しかしそれは、墜落した原因が「ない」ということではありません。乱気流に巻き込まれたとか、エンジン故障とか、操縦ミスとか、必ず原因があって墜落という結果が起きたのです。原因なしに墜落という結果は絶対にならないのです。どんな小さな結果にも、必ず、それ相当の原因があると教えるのが仏教です。

次に、「道理」といいますのは、「三世十方を貫くもの」をいいます。「三世十方」とは、過去世・現在世・未来世の三世と、東・西・南・北・上・下・四維の十方のことで、「いつでも」「どこでも」ということです。いつでも、どこでも変わらないものだけを、仏教では「道理」といいます。

「因果の道理」とは、三世十方変わらぬものは、原因なしに起こる結果は絶対にないし、結果には、必ず原因があるということです。もう少し具体的にいいますと、「因・縁・果の道理」といいます。それは、全ての「果」は「因」だけで起こるのではなく、「因」と和合する「縁」が必要なのです。

特に仏教が因果の道理で明らかにしているのは、私たちが最も知りたい、人の運命の原因と結果の関係です。それを釈尊は、「善因善果、悪因悪果、自因自果」と教えています。「善因善果」とは、善い因は善い果を生み出すことです。「悪因悪果」とは、悪い因は悪い果を引き起こすということです。「自因自果」とは、自分に現れる善果も悪果も、全て自分の蒔いた因によるものですから、自分が刈り取らなければならないのは当然ということです。

幸福も不幸も、自分の運命の全ては、自分の行為が生み出したもので、絶対に、それに例外を認めないのが仏教です。他人の蒔いた因が、自分に果として現れるという「他因自果」ということもなければ、自分のまいた因が、他人に果として現れるという「自因他果」も絶対にないと教えるのが仏教の自因自果の教えです。この「因果の道理」が、仏教の根幹の教えですから、「因果の道理」が分からないと、お釈迦さまの教えがわからなくなります。

釈 正輪 拜

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2019年1月16日「価値観の多様性」

2019年1月16日「改めて思う仏教の大切さ」

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2018年8月9日「私という人間を認めてくださる方に出会うか否か」

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